桑田佳祐「MUSICMAN」を聴く

早々にアマゾンで予約していた「初回生産限定 "MUSICMAN" Perfect Box」が発売日前日に届いた。ウチに限って言えば、CD や DVD が発売日前日に届くのは珍しいことだ。

MUSICMAN

どんなアーティストの新譜であってもそうなのだけど、届くと喜んで封を切り iTunes に取り込んで iPod に転送して Wadia 170i のシステムで聴くのが常なんだけど、このアルバムはなかなか封が切れなかった。やはり一ファンとして、このアルバムにはいろんな思いが交錯する。

全 17曲。これまでのサザンやソロのどのアルバムとも違う雰囲気を感じた。それ自体は病のこととは無関係だと思う。空気感。そしてそれぞれの質が段違いに高い(もちろんこれまでの作品が低いという意味ではない)というのが一通り聴き終えた後の印象。

初回限定版には「BOOK "MUSICMAN’S NOTE"」と名付けられた本人の全曲セルフノートやインタビューが収録された 104ページからなる文字通り「BOOK」がついてくるのだけど、冒頭、タイシタレーベルの松本氏のイントロダクションでも触れられている。

(略)だから、2011年型の最新エンジンを搭載したオリジナルアルバムは、アルバムトータルでも、それぞれの楽曲単体でも、完成形でなければならない。

via: BOOK "MUSICMAN’S NOTE"

と、昨今の音楽スタイルの変化について触れられていることの影響は多かれ少なかれあるのであろう。またインタビューの中でこの作品の制作過程にも触れられているが、最近の作品とは異なるアプローチが取られているのも関係しているのだろう。

BOOK "MUSICMAN'S NOTE"

自分が CD を購入する場合、今では大抵、初回限定版を購入する。まぁ通常版とそれほど価格差がないから。というのが大きな理由で、どのアーティストの新譜でも歌詞カードを読んだりすることはまずなかったりする。これは理由を考えたことさえない。

が、このアルバムは別だった。

歌詞カードの方も目を通したことは通したが、この「BOOK "MUSICMAN’S NOTE"」しっかりと読ませていただいた。

冒頭のインタビューに続く全曲のセルフノートにはヴォーカル・レコーディング開始日といったデータまで記録されているので、病の前後に歌入れが行われたということも、ファンには分かるということになっている。

そんなことが意識されてこの様式になっているのかどうかは、知る由もないけれどこの「BOOK "MUSICMAN’S NOTE"」は是非、読むべきだ。

残念ながらアマゾンでは既に手に入れられないようだけれども、うっかり通常版を予約した(あるいはせざるを得なかった)ファンは泣いて悔しがれ。そしてリアル店舗の在庫を目を血眼になって探すのだ。それだけの価値がこの「BOOK "MUSICMAN’S NOTE"」にはあると感じた次第。資料としても一級品だ。

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