読了。とはいえ 23巻は「天使編」と「ロマンノヴェルズ編」が収録されておりまして、「ロマンノヴェルズ編」は小説になっているので、「天使編」までってことで… (^^;;
そんなわけで、毎日々々夢中になって読んでしまいました。結局、「誕生編」から始まりブラックゴーストとの闘いが描かれているエピソードは 5巻から 10巻に収録されているので、まずそこから読み始め、そして 1巻からという順序で読みました。
このような構成になっているのは、単行本として作者自身が再編集を施した先行シリーズとの差別化と画調に馴染んだ入門者的ファン層への配慮ということらしい。もっとも、個人的には、あまり気にならない部分ではありましたが。
それはともかく、こうして大人になってから改めて読み返してみると、古さを全く感じさせないし、そして物語のテーマになるあらゆる要素が散りばめられているのが分かります。
SF、ラブストーリー、アクション、コメディ、ファンタジー、友情、チームワーク、信頼、反戦、人種差別、社会問題、超能力、宇宙、深海、未来、過去 etc. …
これほど様々な切り口で語ることの出来る作品は、他にはないんじゃないでしょうか。是非、自分の子供たちにも、もう少し大きくなったら読んでもらいたいなと思います。
読み返してみて気がついたのは、主役はジョー(009)なんだけど、実は影の主役はハインリヒ(004)なんではないかってこと。
結構、印象的な行動、セリフがあります。また彼自身だけのエピソードもジョーに続けて多いんじゃないでしょうか?(数えてないけど… (^^;;)
ピュンマ(008)が改造された身体のことで悩みを打ち明けた時に「からだなんて精神(こころ)の入れモノに過ぎない」というセリフなどは、生身の身体である自分にとってもいろいろ考えさせられる言葉です。
これは 00ナンバーサイボーグの中で、身体に武器を満載されおそらく一番生身の部分が少ないであろう、彼だからこそ言えるセリフかもしれません。
また最も印象に残ったエピソードは、ハインリヒが異星人の子供たちに戦うことの大切さを説く話。そして戦うことを覚えた故に、哀しみや憎しみ、怒りといった感情を目醒めさせてしまったことを心配するフランソワーズ(003)。
これなども実に難しく奥深く、考えさせられるエピソードだなという気がします。
そしてもっとも印象に残ったセリフは、ジョーがアポロンと戦った時に「あとはどんな力をもっているんだ」と問われ「あとは勇気だけだ!!」と答えるところ。しびれましたねぇ(笑)
他にも挙げればキリがありませんが、本当に「サイボーグ009」という作品は、いろいろと大切なことを教えてくれている気がします。
サイボーグ009 (1) (秋田文庫) 石ノ森 章太郎
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