購入
小型の USB DAC/ヘッドホンアンプをどうするのか、いろいろと検討を重ねてきましたが、結局、Resonessence Labs の「HERUS+」を購入しました。決め手としては、
- 対応フォーマット (44.1/48/88.2/96/176.4/192/352.8/DXD/DSD64/128)
- 32Ω から 600Ω までのインピーダンスのイヤホン・ヘッドホンに対応
- サイズ (63.5×31.7x19mm)
- チップが ESS 9010-2M
- Mac 環境ではドライバー不要なこと
というところでしょうか。
「HERUS+」は、日本ではまだ発売のアナウンスもなく、本国サイトからは日本に送ってくれませんので、久しぶりに輸入代行サービスを使って購入。ポチッとしてから、手元に来るまで 2 週間弱かかりました。米国内の天候の影響なんかもあったようです。費用は HERUS+ が 425 ドル。米国での送料が 36 ドル。日本までの送料・手数料などが 7319 円 で、計 64571 円でした。
箱の中には、キャリングポーチに入った HERUS+ があるだけで、取説などは一切なし。これにはビックリした。
厚みを除けば、USB メモリくらいのサイズですが、手にしてみるとずっしりとした質感が伝わってきます。全体的な剛性も高そうです。
HERUS と HERUS+ の違い
「HERUS+」が「HERUS」と異なる点は、プレスリリース (PDF) によると次のようになります。
- Redesigned PCB.
- The ability to select between two digital filters to optimize the listening experience.
- Low Power mode for iPhone and Android cell phone users.
- Improved Volume Control Sensitivity levels.
- Improved ESD tolerance.
- Increased on-board Memory.
大きいところではデジタルフィルターが実装されたことでしょうか。そして「HERUS」では、iPhone などで使う場合には、音量の調節が難しかったようですが、「HERUS+」では改善されているようです。また、スマホでの利用時にはより低消費電力で動作するようになったのは、嬉しいところでしょうか?これらは後日、iPhone に接続して確認したいと思います。
仕様上、残念なところは「HERUS」と共通ですが、初めて「HERUS」や「HERUS+」を接続した際に音量が最大に設定されてしまうこと。
このことは、「HERUS」の製品紹介の「ご使用に当たっての注意」や「HERUS+」の「IMPORTANT Please note」などで明記されています。通常、こういうのは、最小になるように設計されるべきだと思うんですが、難しいことなんでしょうか?まぁ運用で対応するしかなさそうです。
ただ、MBP につなげた場合には音量は最大になることはなくて、いきなり爆音が出てくることはありませんでした。
MacBook Pro(Mid 2010) との組み合わせ
「HERUS」の購入者などのレビューを拝見しましたが、スマートフォンでの利用がメインの方が多いようで、あまり Mac/PC で使われている方は多くなさそうな印象でした。しかし、自分の主となる目的は MBP との組み合わせでの利用で、MBP のヘッドフォン経由の音質を改善することなので、まずはそちらから。
試した環境は、次の通りです。
- Mac : MacBook Pro(Mid 2010) + OS X Yosemite 10.10.2
- プレーヤー : Audirvana Plus 2.0
- USB DAC/ヘッドホンアンプ : HERUS+
- USB ケーブル: SUPRA (HiVi 2012 年 11 号特別付録)
- ヘッドホン : SENNHEISER HD 650
USB で接続してみると、最初にロゴが一瞬、赤く光り、その後、青く光ります。このロゴはフィルタを切り替えるボタンになっていて、青が Standard Up-sampling Filter、紫(画像だと白っぽいですが)が Custom Up-sampling Filter となっています。
Audirvana Plus で確認してみると、「Resonessence Labs HERUS P」として認識されてます。そして「Native DSD Capability」の設定を「DSD over PCM standard 1.0」にするとうまく動いてくれました。「Automatic Detection」ではうまく動作してくれず。
音源は、PCM のハイレゾ音源と、その音源を EasyDSD で DSD64 に変換したものを聴いてみました。MBP の標準のヘッドホン経由では、これらの音源は 88.2kHz/24bit に変換されます。
PCM と DSD が混在のプレイリストを再生してみましたが、PCM から DSD に切り替わる時に「ジジジ」という感じでノイズが少し出ました。逆の DSD から PCM に切り替わる場合にはノイズはありませんでしたが、ちょっと気になるところです。
さて、標準のヘッドホン経由と切り替えてみると、とても高音質であると感じます。奥行き感や立体感が出てきて、細かい描写もキレイ。高低域にクセは感じられず、周波数特性としてはフラットな印象です。低域はボワボワした感じもなく、しまっています。
また、解像度、透明感なども高く、スピード感やキレも良く、「HD 650」のような比較的インピーダンスの高い、ヘッドホンでも十分に駆動してくれるようです。30 分ほど再生を続けてみましたが、きょう体が熱くなることもなく、ひんやりとしたままです。
「HERUS」と音質を比較できる環境にありませんが、このサイズでこの音質はなかなか得難いと思います。「HERUS+」も早いところ日本でも普通に購入できるようになるといいんですが…